耐震基準適合証明書

住宅ローン減税などに必要な書類?

中古住宅を購入するときに、耐震基準適合証明書という言葉を聞かれることもあるでしょう。これがあれば住宅ローン減税(所得税の住宅借入金等特別控除)を受けられるので、対応している耐震診断業者を探している方も多いです。耐震診断を行って基準を満たしている必要がありますが、条件にあうなら検討してはいかがでしょうか。

◇住宅ローン減税制度とは

住宅ローン減税制度とは、住宅ローンを利用して住宅を購入した場合に所得税から借入金額の一部を控除できるというものです。この住宅ローン減税は新築住宅でも中古住宅でも対象となりますが、中古住宅においては築年数の要件があります。非耐火構造の住宅で築20年以下、耐火構造の場合は築25年以下が要件となっております。

木造住宅は非耐火構造にあたるので築20年以下、多くの鉄骨造やRC造は耐火構造にあたるので築25年以下となります。つまり、木造なら築20年以下、木造以外なら築25年以下です(但し、非耐火か耐火かは個別に判断が必要)。しかし、上記の築年数を超える場合であっても、住宅ローン減税を受けられる方法があります。そのために必要なものが耐震基準適合証明書です。新耐震基準に適合している中古住宅であれば、前述の築年数に関係なく住宅ローン減税を受けられることになり、新耐震基準であることを証する書面が耐震基準適合証明書というわけです。

築20年超の木造や築25年超の木造以外の住宅でも、耐震基準適合証明書があれば減税の対象となるわけです。

◇耐震基準適合証明書はいろいろ使える

指定性能評価機関や建築士事務所に所属する建築士が耐震診断を行って、基準に適合していることが確認できれば、耐震基準適合証明書を発行してもらえます。この耐震基準適合証明書は、住宅ローン減税以外にもメリットがあり、登録免許税の軽減や不動産取得税の軽減、固定資産税の軽減と何かと使えるものですね。耐震基準適合証明書の取得には費用がかかりますが、それを超える効果があることが多く、条件に該当する方ならば取得しておきたいものです。

◇耐震基準適合証明書の問題点

耐震基準適合証明書には前述したようなメリットがあるため、これを必要とするのは買主です。しかし、制度上、住宅を購入する前に、正確に言えば売主が申請者となり取得しておかなければなりません。この辺りは、ある程度、耐震基準適合証明書の取得に慣れた不動産仲介業者や証明書の発行業者に段取りを確認するしかないでしょう。

この証明書は耐震診断を行って新耐震基準に適合していなければなりませんが、全ての住宅が適合しているわけではなく、不適合となるものも多いです。その場合、耐震診断を実施するのに必要な費用が無駄になってしまうリスクがあります。ただ、本来は建物の耐震性や建物の状態を把握し対処することは重要なことなので、診断すること自体の意義も理解しておきたいです。

ちなみに、新耐震基準に適合していない場合であっても、耐震補強をすることで基準に適合し再度の診断の結果として適合すれば、耐震基準適合証明書を発行してもらえます。但し、購入前にここまでを実施しなければならず、売主の所有権のままであるためになかなか進め方が難しいものです。基準に適合していない場合の多くは、ここで断念されています。(平成26年4月より変更のため一部訂正しました。以下の追記をご確認ください)

(追記)
平成26年4月より、耐震改修工事は購入後の実施でも適用されることとなりました。引渡しを受ける前に所定の手続きをとっておく必要があるため、適合証明書等の発行業者に確認してください。

◇耐震基準適合証明書の発行可能性

耐震基準適合証明書が発行できる物件であるかどうかは、基本的には耐震診断を実施しない限り最終判断はできませんので、そのコストのリスクを考えなければなりません。しかし、構造別にみればその可能性の違いが見えてきます。鉄骨造や鉄筋コンクリート造(RC造)の場合は耐震診断のコストそのものがかなり高くなりがちなため、適合しない可能性とあわせて考慮すれば、ほとんどの方が断念されています(耐震診断をしない方が多い)。

一方で、木造住宅の場合で構造上の壁が図面で確認できるようであれば、実施する価値はありそうです(不適合の場合もある)。構造上の壁とは、軸組工法(在来工法)であれば筋交いの位置が図面で確認できるかどうかが重要なポイントです。図面で確認できなくとも屋根裏や床下から調査を行うことで必要な情報を補うことができれば適合という結果が出ることもあります。

◇住宅診断と一緒に

住宅診断と耐震診断の違いは既に記載している通りですが、この住宅診断を利用して劣化状態や維持・メンテナンスに必要なアドバイスを得ることと一緒に耐震診断を利用するならば、耐震診断のコストをある程度は抑えられることが多いので、木造住宅を購入する方ならば耐震基準適合証明書を検討する価値はあるのではないでしょうか。検討される方は、アネストの「住宅ローン減税(控除)の為の耐震基準適合証明書」をご参照ください。これならば、住宅診断とセットなので無駄を抑えられます。

◇耐震基準適合証明書が無理でもあきらめない!

図面不足などの理由で耐震診断をできない、もしくは実施しても基準に不適合となり適合証明書を取得できない方は、既存住宅瑕疵保険を活用する方法があります。詳しくは、「耐震基準適合証明書の代わりに既存住宅瑕疵保険で住宅ローン減税」をご覧ください。

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