住宅診断(ホームインスペクション)には買主が立ち会うべき

住宅診断には買主が立ち会うべき

新築住宅でも中古住宅でも買主が第三者の専門家による住宅診断(ホームインスペクション)を依頼することが多いですが、その依頼者から「診断には立ち会った方がよいですか?」と聞かれることがよくあります。

契約の前後でスケジュールにゆとりがなかったり、仕事などで忙しくて時間をおりづらかったりすれば、調査への立会いをあきらめて、調査後に出てくる報告書を見て判断しようという考えもよくわかります。

しかし、結論からいえば専門家が行う住宅診断の現場にはぜひ立ち会ってほしいものです。

立ち会うことによって得られるメリットは大きいですし、そのメリットは住宅購入の判断材料や売主へ補修を求めるときの有効な材料となるからです。

住宅診断会社・ホームインスペクターの紹介

1.買主が住宅診断に立ち会わないケース

2003年から住宅診断をしているアネストでは、買主から依頼されることが非常に多いのですが、その依頼者である買主が立ち会わないケースにもいろいろなものがあります。

遠方の物件を購入するときに依頼したものの、遠方ゆえに依頼者が現地まで来られないということや、仕事が休めずに時間がとれないときなどがあります。

また、買主ではなく売主が依頼者であるとき、その物件を仲介している不動産会社が依頼者であるときにも、買主が立ち会うことは基本的にはないでしょう。売主や不動産会社向けに住宅診断サービスを提供している診断業者も多いので、こういうケースも多いのです。

2.買主が住宅診断に立ち会うべき理由

買主が住宅診断(ホームインスペクション)に立ち会った方がよい理由を解説します。いずれも大事なことですから、よい参考になることでしょう。

2-1.診断の内容と結果を理解しやすいから

診断に立ちあうことで、調査の様子を見ていくことができます。診断者(ホームインスペクター)が現場でどこを見ているのか、そしてそれをどう判断しているのか見ておくことで、調査内容と結果を理解しやすくなります。

逆に、その場に立ち会っていなければ、後日、報告書を見るだけとなってしまいますので、書類だけでは調査内容と結果を理解するのは少し難しいでしょう。売主や不動産会社が実施済みの住宅診断の報告書を見せられても、詳細はわかりづらく、適切に購入判断などをすることは難しいです。

2-2.診断者(ホームインスペクター)に質問しやすいから

住宅診断の現場に立ち会えば、その場で診断者(ホームインスペクター)に質問できるメリットがあります。これは大きなメリットです。

調査が進んでいくなかでわからないことに気づくことがありますし、調査結果の説明を受けているときに質問が浮かんでくることがあります。目の前に診断者(ホームインスペクター)がいることで簡単にコミュニケーションをとることができるので、気軽に質問しやすいこともメリットです。

2-3.わからないことをすぐに解決できることが多いから

現場に立ち会わず、報告書だけを見てもわからないことが多くなりがちですが、現場に立ち会っておけば、その場で質問できるのでわからないことをすぐに解決できるメリットもあります。報告書を見ただけでは、何を質問すればよいかもわからないという人も多いです。

また、報告書が送付されてくるまでに日数がかかるため、質問する時期も遅くなりがいですが、診断に立ち会えばその日のうちに回答をもらえることが多いです。もちろん、質問内容によっては後日の返答となることもありうるのですが、当日対応となることが多いでしょう。

3.住宅診断(ホームインスペクション)の立会いの重要性と対策

最後に、住宅診断と現地立会いに関係のあることをいくつか紹介しておきます。

3-1.契約日が近くて報告書を待てない

売買契約の前に住宅診断をする場合、そのあとの売買契約日が決まっていて延期もしてくれないので、診断結果(報告書)が送られてくるのを待っている時間がないという人も少なくありません。

本来は、購入したい物件を絞ればできる限り早い段階で住宅診断しておくことをお勧めしますが、現実には十分な時間がないことも多いです。

こういうときには、住宅診断の現場に立ち会って現場で建物の状況を見ながら説明を受けることで、建物の状態に関する理解を深めて、報告書の到着を待たずに不動産会社と話を進める人もいます。もちろん、あくまでも報告書を確認してよく検討してから判断することが推奨されますが、状況に応じた対応ができるメリットもありますね。

3-2.調査の後半だけでも立ち会うべき

住宅診断の所要時間は、その建物の大きさや調査範囲(オプション利用の有無)などの条件にもよりますが、1.5~4時間程度かかるものです。なかなかの長丁場ですね。

これだけの時間、ずっと立ち会っておくことが難しいという人も多いです。

そういうときには臨機応変な対応も考えてみるとよいでしょう。

たとえば、仕事を抜けてくるものの、現地での滞在時間が時間くらいだけだというならば、調査の後半にのみ立ち会ってみるとよいでしょう。

所要時間が3時間で、10時から開始なら12時から現地で合流するということです。先に調査を進めておいてもらうわけですね。

但し、調査開始時間から不動産会社に立ち会ってもらうなどの必要性もありますから、住宅診断業者や不動産会社とも相談して調整するとよいでしょう。

住宅診断(ホームインスペクション)に立ち会うメリットは大きいですし、大きな買い物をする機会でもありますから、原則として立ち会うことを前提に依頼するとよいでしょう。

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