新築の建売住宅を購入するときの注意点

新築の建売住宅を購入するときの注意点

購入しようかと悩んでいる物件が新築の建売住宅ならば、その売買契約を結ぶ前に確認しておくべきことを把握しているか自問自答してください。住宅売買や建築・設計などの経験がない限り、建売住宅の購入前にチェックすべきことや注意点をきちんと把握できている人はほとんどないでしょう。

大きな買い物をするわけですから、契約する前にぜひここで紹介している注意点だけでも確認してから購入するかどうか判断し、購入手続きを進めるなかでも必要な対策をとっておきましょう。ここでは、契約前はもちろん、契約時や引渡しを受ける時に確認すべきことも解説します。

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1.完成済みの建売を購入するときの注意点

新築の建売と言っても、建物が既に完成しているものもあれば、まだ完成していないときに契約することもあります。それぞれで注意点に異なることもあるため、分けて解説します。まずは、完成済みの建売を購入する人が対象です

1-1.価格交渉(値引き交渉)は購入申込と同時に行う

購入を決断したものの、少しでも安く買いたいと考えるのは誰でも同じです。売主が提示している販売価格に対して一切値引き交渉をせずにそのまま契約する人もいますが、値引きを依頼する人も非常に多いです。この値引き交渉にはタイミングというものあり、契約してからでは遅いわけです。

また、まだ内見したばかりで購入判断をしていないときでも早すぎます。

値引き交渉は、購入検討者が真剣に購入を考えていることが前提に成り立つことが多いため、様々な条件(立地環境・大きさ・間取り・資金計画など)を検討した結果、購入しようとほぼ決断してから行うべきものです。

具体的には、その物件に対して購入申し込みをするときがベストです。これは、不動産購入申込書に氏名等を記載して売主へ提出するときのことですが、この申込書に希望する購入価格を記載して提出するところから値引き交渉が始まります。

1-2.点検口の有無

多くの住宅には点検口というものがあるはずです。床下や小屋裏、天井裏にあることが一般的ですが、物件にとっては壁にも点検口を設けていることがあります。

点検口とは、その名の通りそこから普段は見えない箇所を点検するために設置されるものですから、建物の状態を確認するために非常に重要なものであることは間違いありません。

残念なことですが、一部の住宅には点検口が無いことがあります(壁の点検口はないことが一般的です)。そのような物件では、床下や小屋裏を確認することができないため、床下で漏水があっても、小屋裏で雨漏りやひどい結露があっても、また断熱工事や基本構造部分などに施工不良があっても確認できないわけです。

つまり、購入する上で点検口が無いだけで他の物件よりもリスクが高いということです。

そのような建売住宅を買ってしまって、見えない箇所の問題に数年してから気づいて後悔している人は多いですから、購入する前に点検口の有無は必ずチェックしておいてください。点検口は、売主や設計者が当然に配慮して設置しておくべきものです。

1-3.売買契約の締結前に施工不具合の有無を要チェック

前に述べた点検口の有無の確認と共通する話でもありますが、建物の状態は詳細に確認してから契約すべきです。最近の新築住宅においては昔のような欠陥工事がほとんどないと説明する不動産業者もいますが、それは事実ではありません。

(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターへの相談件数は減るどころか増え続けています。部材の工場生産等によって工事が簡易化されたにも関わらず、現場(職人)の技術不足・人数不足や工事の元請業者や売主の監理不足が蔓延しているために、問題は全然減っていません。建売住宅では、監理不足というよりも完全に監理放棄している会社の方が圧倒的に多いです(たとえ超大手であっても監理をまともにしていることはほとんどありません)。

また、ほとんど全ての建売住宅に関して、不動産業者や建築業者が依頼している検査機関による検査が建築中に入っているものの、平均10~15分の所要時間だけでお茶を濁す程度の検査しかしていないため、施工不具合が減っていません。

つまり、結局は買主が自らチェックするしかないのですが、買主は建築の素人なわけですから、チェック能力はありません。そこで、買主側についてくれる住宅診断業者(ホームインスペクション業者)に依頼する必要があるのです。

依頼する際は、床下や屋根裏(=小屋裏)の内部も見てもらうことをお奨めします。

1-4.契約に含まれる範囲を確認する

専門家に住宅診断(ホームインスペクション)をしてもらって、大きな問題がなければ、次は契約です。しかし、売買契約を締結する前に確認しておくべきこともあります。

それは、その契約にはどこまでのものが含まれているのか確認するということです。

たとえば、外構工事が含まれている物件とそうでない物件があります。含まれておらず、自分で発注するとなれば、数十万円以上の追加コストがかかることもありますから大事なことですね。

また、建物内部の設備でもオプション扱いとなっているものはたくさんあるものですから、これも確認しておかなければなりません。たとえば、カーテンレール。カーテンを取り付けようとしたら、レールがなかったという話は意外とよくあることです。

カーテンレールは付いていて当たり前だと思い、契約前に現地で確認していない人は多いでしょう。しかし、オプション工事となっている物件はいくらでもあります。他にも、網戸やエアコンスリーブなどもオプションになっていることがよくあります。

建売業者によっては、これらをオプションとしても対応しないということもありますから、契約前に必要なものがあるかどうか、またオプションで対応してくれるかどうか、対応してくれるならいくらかかるのかといったことまで確認しなければならないのです。

売買契約書の確認

1-5.売買契約書の特約や備考欄に要注意

契約を締結するときには、当然ながら売買契約書を読むことになります。しかし、その内容は専門的なことばかりであり、初めて読んだ人には理解できないことも非常に多いでしょう。そもそも、契約を締結する席で初めて契約書を見ることに無理があるというものです。

売買契約書は、必ず契約日よりも前に入手して熟読しておき、不明点は先に質問して解決しておくべきものです。そのとき、一緒に重要事項説明書も同じように確認しておきましょう。重要事項説明書とは、購入する物件に関する説明内容が記載されたものです。

購入することが決まれば、売主や不動産仲介業者に「売買契約書と重要事項説明書の写しを事前に見せてほしい」とお願いしてください。これを拒否するような業者はいませんので、安心して依頼しましょう。

1-6.不要な諸費用の請求に要注意

売買契約書を確認するとき、ぜひ一緒にチェックしておいてほしいものがあります。それは、売買に関して必要となる諸費用です。明らかに必要な諸費用を請求している業者もありますから、注意して確認してください。

まずは、諸費用の概算書を提出してもらってください。口頭での説明だけではなく、書面で確認することが重要です。そのなかに表示されている費用項目の1つ1つに関して、「どこに(誰に)」「何のために」に支払うのかよく確認してください。

1-7.保証範囲とアフターサービス規準を確認する

契約に際して確認しておくべきことがもう1つあります。それは、売主による保証範囲とアフターサービスの内容です。新築の建売住宅では、引渡しから10年間は保証することが義務づけられていますので、確認するまでもなくこの保証はあります(たとえ契約書に記載がなくても)。

しかし、売主によっては保証期間を10年よりも長く設定していることもありますし、保証する対象項目が法律で定めている最低限度のものだけではなく、プラスαがあることもあります。これらは、買主にとってよいことですから、質問すれば積極的に教えてもらえるでしょう。

そして、アフターサービスの内容は、アフターサービス規準書などの書面でも確認しておきたいものです。部位ごとに対象期間や補修方法まで明記していることもあるので、良い参考になるでしょう。ただ、小さな不動産業者ではアフターサービス規準を明確には設けていないことも少なくありません。これは、アフターサービスを一切しないというわけではなく、何かあったときにと都度対応を判断するケースが多いのです。

買主としては、きちんと書面化されている方が安心ですね。

1-8.他物件の売れ行きに要注意

建売住宅の購入判断のときに、もう1つ注意しておいてほしいことがあります。それは、同じ分譲地の他の物件の売れ行きです。

1棟のみが分譲(販売)されているのであれば、他の建売物件との比較程度でよいですが、複数棟を分譲している現場では、他物件の売れ行きがあなたの購入する住宅の資産価値に大きく影響することがあるから注意が必要です。

売れ行きがよくない分譲地では、あなたが購入した後に、他物件の値下げを実行されることがあります。このときに、「もう少し待っていたら自分たちも値下げしてもらえたかもしれない」という後悔だけではすみません。周囲の物件が値下げされてしまうと、購入したばかりのあなたの家の資産価値も下がってしまうのです。

棟数の多い分譲地で、売れ残りが多いようであれば、値下げによる資産価値の毀損リスクが高いことを考慮しておきましょう。

建築中・建築前の建売住宅

2.建築中・建築前の建売を購入するときの注意点

次に、建築中や建築される前の建売住宅を購入するときの注意点を解説します。完成物件と重なることは割愛しますので、完成前の建売を購入する人でも、前述の「1.完成済みの建売を購入するときの注意点」を読んでおいてください。

2-1.思っていたものと違った!を無くす

建築途中や建築開始前の建売住宅を契約した人が、完成後の内覧会ではじめて完成状態を見たときに、「思っていたものと違う」という感想を漏らす人もいます。これは、内覧会に同行して施工不具合の有無をチェックするときに、耳にすることがあるフレーズです。

建築業界でよく経験のある人なら図面や仕様書でイメージできることでも、慣れていない人にとってはそれらの書類だけで実際の完成状態を正確にイメージすることは非常に困難です。

思っていたものと違うと感じることにもいろいろありますが、広さがイメージと違っていたというケースが多く、買ったことを後悔している人もいますから注意しましょう。

未完成物件の広さを理解するためには、寸法の入った図面を見せてもらって、その寸法をその時点で居住している自宅の部屋などで同じ長さがどの程度になるか確認するとよいでしょう。たとえば、図面で寝室の1辺が2.3mになっていたら、今住んでいる自宅の寝室などで2.3mをメジャーで測ってみるのです。

このときに、間取り図に表示されている畳数だけで判断しないようにしてください。これは、あなたが住んでいる部屋の表示とずれが生じていることも多いために誤解しやすいからです。

図面と違ったを無くす

2-2.完成日と引渡し日(工事遅延に要注意)

未完成の建売住宅を購入した人から、よくある相談の1つが完成と引渡しの遅延です。多少の遅延ならば、許容できることも多いでしょうが、大幅に遅延してしまうとなれば、現在の自宅の退去問題や引越し時期のずれによるお子さんの転校の関係などで被害を受けることもあります。

売主や建物の規模などによって、工期(着工から完成までの期間)は異なるために何カ月あれば大丈夫とは言えないのですが、十分なゆとりがあるかどうか確認しましょう。売主に「完成予定時期は、御社として十分にゆとりのある期間を見込んだものですか?」と聞くと、ギリギリの期間で設定しているのかどうかわかるでしょう。

2-3.未完成の建売の引渡しを受けない

完成が遅れたときに多い問題の1つが、未完成物件の建売住宅を強引に買主へ引渡そうとする売主がいることです。完成していない住宅を引き渡すと同時に残代金の支払いまで求めてくることがあるので、それは拒否しなければなりません。

完成が遅れている時点で、突貫工事による施工不具合のリスクが高いのですが、未完成状態で引渡しまでしてしまうと、その不具合の補修工事を満足にしてもらえないことも多くなり、買主にとってはあまりにリスクが多きおすぎます。

2-4.工事途中のチェックは超重要

完成済みの建売住宅を購入するならば、契約前、少なくとも引渡し前に専門家に住宅診断(ホームインスペクション)を依頼して診てもらうことが多いですが、建築中の建売ならば、完成状態だけではなく、建築中にも施工品質をチェックできる機会があります。

完成後では隠れて見えないところまで確認できることが最大のメリットですから、せっかく建築中や建築前の住宅を買うのであれば、ぜひ工事途中のチェック(住宅検査)も入れておきましょう。売主側が工事監理をしていなくても、第三者の目で見てもらうことで安心を得られるでしょう。

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