中古住宅を購入するときの雨漏りのチェックポイント

中古住宅を購入するときの雨漏りのチェックポイント

中古住宅を購入する人が不安に思うことの1つに、その住宅が雨漏りしていないか?という点があります。雨漏りしていれば、見えないところが腐食して耐久性が著しく低下していることもありますし、カビが繁殖していて不衛生なこともあります。

ところで、建物が古いほど雨漏りやすいと考えていませんか?

実は、新築してすぐに雨漏りする家もあるくらいですから、新しい住宅であっても油断してはならないのです。築浅であっても古い物件であっても中古住宅を購入するときに、買主が慎重にチェックしておくべきポイントを紹介します。

ここで挙げているチェックポイントは、多くの住宅診断(ホームインスペクション)の経験を積んだ専門家が見ている項目ですから、物件見学の際の参考にするとよいでしょう。

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1.全ての雨漏りを発見できるわけではない

具体的な雨漏りのチェックポイントを紹介する前に、誤解することのないようお伝えしておきたいことがあります。それは、中古住宅において購入時に雨漏りを完璧に見抜くことは不可能だということです。不可能だという主な理由をあげておきます。

  • 家具やの荷物が邪魔になって詳細に確認できない
  • 物件見学の時点では、まだ染み等の症状が表面化していないことがある
  • リフォーム済み物件では症状が隠されていることがある

中古住宅は売主が居住しながら売却していることも多いですが、その場合は売主の家具や電化製品、荷物がたくさんありますね。雨漏りの染みなどの症状が、その家具等によって隠れていて発見できないことがあるのです。

それならば、空き家なら雨漏りを見逃すことがないのかと言えば、そうでもありません。雨漏りがまだはっきりと表面化していないこともあるからです。壁の内部まで浸水してきているものの、部屋の内側まではまだ症状が出ていないときは確認が困難です。

また、リフォーム済みの中古住宅である場合、もともと染みなどの症状が出ていた壁や天井の内装材(クロス等)が張替えられていて、雨漏りを確認できないことがあります。知らずに購入して、台風シーズンになってから雨漏りが起こることもあるので注意したいところです。

2.雨漏りのチェックポイント

雨漏りの確認が完璧でないことは残念なことですが、それでもリスクをできる限り減らす努力をすべきです。雨漏り被害が大きい場合には、補修範囲もそれだけ広くなってしまい、工事費用の負担が重くなるからです。

建物内部のチェックポイント

雨漏りしているかどうかチェックするときは、基本的には染みの有無を探すことになります。染みは雨漏り跡の可能性があるからです。いろいろな箇所を慎重に目視していき、染み(雨漏り跡)がないか確認してください。但し、染みが大きくなくても不自然な浮きがあっても漏水の可能性はあります。

2-1.壁の染み

雨漏りに関する最初のチェックポイントは壁の染みです。建物内部を見学するときには、必ず壁をよく目視確認してください。ただ、全ての壁に雨漏りの可能性があるわけではありません。基本的には外部に面する壁、つまり外壁の内側をよくチェックしてください。

但し、外部に面していない壁から雨漏りすることがないわけではありませんので、思い込みのないようにしましょう。例えば、2階建ての住宅で、1階のリビングと和室の間仕切り壁の上がベランダになっている場合には、ベランダから雨水が浸入して天井や間仕切り壁に染みが出てくることもあるからです。

2-2.天井の染み

雨漏りと言えば上から漏ってくるというイメージが強いでしょうか。実際には壁などからも漏るのですが、最初に天井に染みが出てくるケースも多いです。

最上階の天井を慎重に確認すべきなのですが、最上階でなくても天井に染みが出てくることはありますから、ここでも思い込みで油断しないようにしてください。たとえば、2階建ての1階のリビングの真上がベランダになっている住宅があったとします。その場合、そのベランダから漏って雨が1階の天井に出てくるというものです。

天井の染み(雨漏り跡)

2-3.サッシ周り

雨漏りの発見ポイントとして、住宅診断(ホームインスペクション)をしている人なら誰もが気を付けて見ている箇所の1つに、サッシ周りがあります。サッシ、つまり窓の周りですね。

なぜサッシ周りに雨漏りが多いのかといえば、以下の理由によります。

外壁材を突破して外壁内部に浸入した雨水は、通常ならば壁内にある防水シートによってそれ以上の浸入を止められます。この防水シートで止められている以上は室内へ雨漏りしないのですが、どこかで防水シートも突破されてしまうことがあるのです。

サッシ周りは、防水シートの切れ目になりますから、雨水に突破されるポイントになりやすいのです。特にサッシの真上や横側に染みが出てくることが多いので注意しましょう。

また、出窓はその構造がやや複雑なだけに、より雨漏りしやすいので、ここで発見される率は他のサッシよりも高いです。そして、もう1つ天窓からの漏水も非常に多いです。雨が直接、大量に当たるので雨漏り事故が多発していることもあり、設計者によっては天窓を嫌う人もいるくらいです。天窓はトップライトとも呼ばれています。

出窓や天窓(トップライト)がある住宅なら、その周りを入念にチェックした方がよいでしょう。

2-4.収納内部の壁・天井

雨漏りの染みは収納の内部で確認されることもあります。ただ、売主が居住中の中古住宅では収納内を見るのははばかられますし、見たとしても荷物が一杯でほとんど確認できないこともあります。何でも確認できるわけではないことを理解し、可能な範囲でチェックするとよいでしょう。

2-5.小屋裏(屋根裏)

小屋裏のチェックは大事

雨漏りのチェックポイントで忘れてはならないのが、小屋裏です。小屋裏は屋根裏とも言います。

小屋裏点検口などからその内部を目視して、雨漏り跡の可能性がある染みの有無を確認してください。暗い場所なのでライトで照らして確認すべき箇所です。

小屋裏(屋根裏)のなかでもチェックすべきポイントは、野地板(屋根材の裏側)、梁など小屋組、天井材(天井の小屋裏側)、そして断熱材です。雨漏りの確認でなぜ断熱材や天井材を見るのかと思うかもしれませんが、屋根から漏水した雨水がポタポタと断熱材や天井材の上に落ちてくることがあるからです。

そこに染みがあれば、雨漏りの可能性を疑うわけです。

但し、小屋裏は危険なスペースですから、自分でなかへ入っていくことはやめてください。天井材を壊して落下して大怪我をするリスクもありますし、家を壊してしまうリスクもあるからです。小屋裏の確認は慣れている住宅診断(ホームインスペクション)業者に依頼した方が無難です。

2-6.床下

雨漏りとは無縁のように思われがちな床下ですが、実は床下の調査がきっかけで雨漏りに気づくこともあります。

外壁内に浸入した雨水が、壁から室内へ出てこなかったものの、土台まで流れ落ちて、基礎の上から流れてきて染みになっていた事例もあるのです。室内の壁や天井、小屋裏よりは発見される頻度は低いものの、たまに確認されることもあるので、見ておいた方がよいです。

床下は雨漏り以外にも大事なチェックポイントが多いですから、中古住宅の購入に際しては見ておく方がよいところですね。

2-7.建物外部のチェックポイント

ここまでは、建物の内部側で雨漏りしてきていないか確認するポイントを解説してきました。しかし、物件見学の時点では漏っていなくてもしばらくしてから漏ることはありますし、家具等が多くて確認できない範囲が広いこともありますから、建物外部からも雨漏りしそうな状況でないか見ておきたいものです。

外壁の継ぎ目や軒裏

それでは、建物外部ではどこをチェックすべきなのでしょうか。

  • 外壁の継ぎ目
  • サッシ周り
  • 配管貫通部などの開口部周り
  • バルコニー
  • 屋根・屋上
  • 軒裏

上にあげた箇所は必ず丁寧に見ておくべきポイントです。雨漏りの原因箇所はある程度、パターンが決まっていて、それが上にあげた箇所なのです。

外壁の継ぎ目のシーリングが劣化して亀裂になり、そこから雨水が浸入することは多いです。同じように、サッシ周りや配管貫通部などの開口部周りのシーリングの劣化・亀裂が原因となることも多いです。こういった個所のシーリングの劣化が著しく進んでいるようならば、雨漏りのことも考えた方がよいでしょう。

また、バルコニーからの雨漏りも非常に多いです。バリコニーの床周りに防水層の破断やバルコニーの手摺壁と外壁の取合い部分のシーリング劣化・亀裂、笠木、さらには室内からバルコニーへ出られる掃き出し窓の下部などもよく見ておくべきです。排水口の周囲から漏水することもあるので、見ておきたい箇所です。

そして、屋根や屋上の著しい劣化もそうです。但し、屋根は詳細に確認できないことが多いので、小屋裏(屋根裏)の確認で補いあう形がよいでしょう。屋上に出られる住宅ならば、バルコニーと同じように防水層や笠木の劣化を見ておきましょう。

建物外部のチェックポイント

3.雨漏りと結露と設備漏水の見分けは難しい

ところで、建物内部のいろいろな箇所をチェックした結果、実際に染みが見つかったとして、それを全て雨漏りと決めつけてよいかといえばそうではありません。染みの原因にもいろいろなものがあるからです。

シミの原因として考えられるのは、主に以下の事象があります。

  • 雨漏り
  • 結露
  • 給排水管からの漏水
  • 居住者がこぼすなどした水
  • 小動物の尿等

いろいろなものがあるものですね。都会の住宅でも小動物が潜んでいることはありますから、全ての可能性を否定せずに検討すべきことです。但し、見つけた染みがいずれの原因であるか目視だけで特定するのは困難です。それは、プロの住宅診断(ホームインスペクション)業者でもできないことが多いです。

見分けが難しいことを理解したうえで、状況次第では雨漏りのリスクがあることを考慮して、購入判断をすることになります。

今回、紹介した雨漏りのチェックポイントは、中古住宅を購入するときに活用できるものですが、居住している自宅の点検に役立てることもできますから、一度、点検してみてはいかがでしょうか。

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