(質問)
中古住宅(既存住宅)を買う時に既存住宅売買かし保険や中古住宅の保証を利用しておくべきかどうか?

住宅診断(ホームインスペクション)に関するQ&Aの回答

住宅購入にかかわる住宅の検査・評価・保険などの制度がいくつもありますが、そのなかで有効に機能している言えるものは少ないです。手間やコストがかかっている割には、消費者はコストに見合うだけのメリットを得られているとは言えないでしょう。これらの住宅検査、評価、保険のコスト負担は、直接的には不動産会社や建築会社(ハウスメーカー等)が負担していることが多いですが、最終的には売買代金や建築代金に上乗せされて消費者が負担しているのと同じです。

そういった様々な検査などの制度のなかにおいて、今、注目されているものが「既存住宅売買かし保険」です。これは中古住宅の流通を阻害する要因だと言われている「買主による建物のへの不安」を軽減することで、中古住宅を買いやすくすることを目的としています。諸外国に比べて中古住宅の売買が少ない(新築住宅に比べて取引の割合が小さい)日本の中古住宅市場の活性化が期待されています。

中古住宅の買主としては、この既存住宅売買かし保険を利用するかどうかを1つの選択肢に入れることができます。中古住宅を買うときに建物について心配する人にとっては、第三者の専門家による住宅診断(ホームインスペクション)が有効な選択肢として、広く利用されるようになっています。建物の劣化状態、新築当時の施工ミス、不具合の有無を可能な範囲で検査してもらい、アドバイスを受けることは中古物件の購入判断に非常に役立ちます。

この住宅診断(ホームインスペクション)で得られた結果に対して、何らかの保証がほしいと考える買主も少なくありませんが、この既存住宅売買かし保険を利用すれば買主は保証を受けることも可能になります。以下のような仕組みです。

既存住宅売買瑕疵保険A

既存住宅売買かし保険を利用するには2つの方法があります。上図の宅建業者(不動産業者)が売主の場合(A)と下図の個人間の売買の場合(B)です。

既存住宅売買瑕疵保険B

宅建業者(不動産業者)が売主の場合(A)は、宅建業者が買主に対して保証する形です。買った後に瑕疵(構造上の欠陥や雨漏り等)が発見されれば、宅建業者が補修費用などを負担し、その補修費用は保険金でまかなわれます。

次に個人間の売買の場合(B)は、住宅検査会社が買主に対して保証する形です。買った後に瑕疵が発見されれば、住宅検査会社が補修費用などを負担し、その補修費用は保険金でまかなわれます。

(A)(B)いずれの場合であっても保証者が倒産した場合には、買主に対して保険金が直接支払われるという点も買主にとってメリットといえます。中古住宅を購入するときの安心感がプラスです。

購入しようとした中古住宅の売主が不動産業者であれば、上記(A)のパターンとなりますが、その売主である不動産業者がこの保険に対応していなければ利用できません。また、売主が個人であれば、上記(B)のパターンとなりますので、既存住宅売買かし保険に対応している住宅検査会社を探して依頼することになります。

瑕疵保険に関連するQ&Aとして「既存住宅売買かし保険(2)瑕疵保険は万能か?」もご覧ください。また、中古物件の保証・保険に興味があるなら「中古住宅建物保証(既存住宅かし保険付き)」を見てみましょう。