新築住宅は瑕疵保険や検査が入っているから大丈夫か?

(質問)
新築住宅を買うときに住宅診断(ホームインスペクション)を入れたいと思い、不動産仲介業者に「契約前に住宅診断を入れるので受け入れてほしい」と伝えると、「今の新築は瑕疵保険に加入しているし、保険の検査も受けているので、買主が検査を入れる必要性はない」と言われました。

本当に新築住宅は瑕疵保険に加入していて、検査済みなので大丈夫と考えてよいのでしょうか?

住宅診断(ホームインスペクション)に関するQ&Aの回答

新築住宅は瑕疵保険に加入することか、もしくは供託することが義務付けられていますが、瑕疵保険へ加入する方を選択している業者は多いです。そして、この瑕疵保険に加入するためには確かに現場検査を受けて合格しなければいけません。

よって、不動産会社の前述の説明の大半は事実です。しかし、肝心の部分に誤りがあります。それは、「検査を受けているので、買主が検査を入れる必要性はない」という部分です。

実は、新築住宅を建築する過程では、この瑕疵保険に加入するための検査以外にも建築基準法で必要とされている検査も受けています。物件によっては、フラット35や性能表示評価のための検査まで受けています。しかし、これだけの検査を受けていても、施工ミスや不具合が無くなっていません。

その理由は、単純なものです。これらの検査は施工ミスが起こらないようにと細心の注意をして現場で細かく検査しているわけではないからです。本当に短時間で簡単な検査をしているにすぎないため、これで施工ミスをなくすのは無理があるというものです。

瑕疵保険や性能評価などの基準に適合しているか、大雑把に確認していると理解すれば、実態に近いでしょうか。

住宅を購入する人が利用すべき住宅診断はそのような大雑把なものではありません。買主の目的は購入した物件に施工ミスや不具合があってはその対処にかかる精神的、金銭的な負担を強いられることになるため、そういったリスクを取り除くためです。

大雑把な検査では、その目的を達することは困難です。完成物件であれば、買主が第三者の住宅診断業者に依頼して見てもらっても、見えない部分はあります。それでも、見える範囲において(できれば床下や屋根裏の内部も)細かく確認してもらうことで、可能な範囲でリスクを抑えておきたいものです。

完成物件であれば、床下や屋根裏も含めて建物全体の住宅診断を、これから建築する住宅であれば着工時から完成までの住宅検査を利用することを考えてみましょう。