住宅診断の利用判断(依頼するかどうか)のポイント

今、住宅購入時に住宅診断をされる方は本当に増えています。それでも、数万円~の費用がかかるだけに利用すべきかどうか迷われている方も多いことでしょう。リスクを伴うということでもありますので、基本的には対象物件の種別などに関わらず住宅診断を利用していただくことをお奨め致しますが、あえて構造種別などの条件ごとに利用判断のポイントを考えてみます。

1.構造種別で考える住宅診断(ホームインスペクション)の利用

利用するべきかどうか、依頼するべきかどうかを木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、混構造といった構造別で解説します。

1-1.木造住宅への住宅診断の利用・依頼の判断

住宅診断(ホームインスペクション)を最も利用すべきだと考えるのは、木造住宅でしょう。

土台・柱・梁などの構造躯体の劣化や腐食、金物の取付状態など確認できる重要な項目が非常に多く、利用価値が高いです。主要な構造部分に関わる項目を調査できるのは心強いです。

中古住宅に限らず新築住宅でも施工不良の検査ができるので、是非、依頼を検討された方がよいでしょう。

但し、床下や屋根裏の点検口や床下収納庫等が無い場合は調査範囲がある程度限られることは理解しておく必要があります。ご自宅の点検を依頼するのであれば、診断前に自ら点検口を設置しておくと良いでしょう。

1-2.鉄骨造住宅への住宅診断の利用・依頼の判断

次に鉄骨造です。

鉄骨造も床下や屋根裏で骨組を確認できますし、接続部のボルトの状態なども確認できます。構造部分がシロアリ被害にあっているリスクはないですが、他の木部が被害にあうときもあるので、あわせて確認しておきたいところです。

建具や設備(給排水管を含む)の状況を可能な範囲で確認することも意義ある調査となります。

木造ほどではないものの、鉄骨造もチェックポイントが多いため、積極的に住宅診断(ホームインスペクション)の利用を検討するとよいでしょう。

1-3.鉄筋コンクリート造住宅への住宅診断の利用・依頼の判断

そして、鉄筋コンクリート造です。

こちらは、主要な構造部分を直接確認できないため、他の木造や鉄骨造に比べると利用価値が低いとも考えられます。主要構造部を直接確認できない理由は、コンクリートの上から仕上げ材が施工されていることが多いからです。また、構造部であるコンクリート部分を確認できたとしても、その内部の鉄筋までは判断できません。

但し、壁などの表面に悪い症状が出てくることもありますし、雨漏りすることもあるので住宅診断を利用する意味が全くないというわけではありませんが、木造で実施する住宅診断ほどの効果を期待するのは難しいでしょう。

また、鉄筋コンクリート造では、その構造上、床下や屋根裏スペースがないことが多いです(存在するケースもある)。よって、床下や屋根裏で主要構造部を確認できる木造や鉄骨造とは異なるのです。

ただ、木造と違って屋上を確認できる住宅は多いです。木造では勾配のある屋根(斜めになっている屋根)が一般的ですが、鉄筋コンクリート造の住宅では最上階の上がフラットなタイプであることが多く、その場合は屋上へ容易に人が上がれることもあります。

そういった形状の鉄筋コンクリート造では屋上の診断をすることが可能です。屋上で確認できる重要なチェックポイントは防水状況です。劣化が進行していると雨漏りリスクが高いため、確認可能な形状であるならば、ぜひ診断しておきたいものです。

1-4.混構造住宅への住宅診断の利用・依頼の判断

ここまでに、木造や鉄骨造、鉄筋コンクリート造の3種の構造について説明しましたが、一戸建て住宅に採用さえる構造としては、鉄筋コンクリート造と木造の混構造というものがあります。

よく見られるのは3階建て住宅で、1階部分が鉄筋コンクリート造になっており、2階と3階部分が木造の住宅です。都市部でよく見られる住宅だと言えます。

木造部分については、「木造住宅への住宅診断の利用・依頼の判断」で説明したものと同じようなことが言えますが、木造との大きな相違点は床下の取扱いです。

1階部分が鉄筋コンクリート造であるために、1階の床下は存在しないことが一般的です。しかし、2階部分の真下の位置のすべてが1階部分であるとは限りません。以下の図を見てください。

混構造の住宅

たとえば、傾斜地の住宅でよく見られるのですが、2階の一部が地面に直接に接するプランになっていることもあるのです(上の図を参照)。こういったプランであれば、床下スペースがある(無いこともある)ので、確認できるならば調査しておきたいものです。

但し、床下スペースが広くないため、この箇所(2階の床下)を確認するための床下点検口が無いことも多いため、点検口の有無は事前に確認しておきたいことです。

屋根裏は木造と同じように確認できることが多く、その点検口から柱や梁、断熱材、水染み(雨漏りや結露などの跡)などを調査できるので、ぜひ住宅診断しておきたいところです。

2.構造種別で見る住宅診断の必要性ランキング

基本的にはどの構造においても住宅診断を利用することをお奨めしますが、あえて構造種別で利用すべき(依頼すべき)順序をつけてランキング形式で見ておきましょう。

第4位 鉄筋コンクリート造(RC造)
第3位 鉄骨造
第2位 混構造(鉄筋コンクリート造+木造)
第1位 木造

以上の順です。

2位と3位は微妙なところもありますが、無理に順位をつけるとすれば、この順です。実際に、木造住宅での利用が非常に多いという事実があります。

購入を検討中の物件の構造を確認したうえで、参考にしてみてください。

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