長屋(テラスハウス)の住宅診断(ホームインスペクション)

長屋(テラスハウス)の住宅診断

住宅診断(ホームインスペクション)を依頼する対象物件が長屋ということもあります。長屋を購入する際に、「長屋でも住宅診断をしてもらうことはできるか?」とこれまで何度も聞かれてきましたが、もちろん診断することは可能です。

但し、長屋には独立した建物である一戸建て住宅とは違った注意点もあるため、長屋における住宅診断についてここで解説しておきます。依頼する前に読んで理解しておいてください。

住宅診断会社・ホームインスペクターの紹介

1.長屋とは?

長屋とは、一戸建て住宅とは異なり集合住宅の1種です。どちらかといえば、一戸建てよりもマンションの方が近いです(マンションも集合住宅の1種)。長屋は、複数の住宅を1つに連ねた建物で、各住宅の境の壁はそれぞれの共有になっています。

長屋との呼称からは、古い建物が連なったものを想像する人も多いと思いますが、連棟住宅とも呼ばれています。最近ではタウンハウスやテラスハウスと呼ぶことも多く、こう呼ばれる建物については昔ながらの長屋や連棟住宅のイメージと違って現代的でデザイン性のある建物であることも多いです。

以前の長屋は1階建てが多かったものの、2階建てや3階建ての建物も存在しています。

2.長屋(テラスハウス)でできる住宅診断

長屋が一戸建て住宅と異なるものであることは分かったと思いますが、大事なことは住戸間の壁が共通のものであるという点です。マンションでも同じですね。この場合、長屋で実施する住宅診断(ホームインスペクション)は一戸建て住宅と相違する点があるので理解しておきましょう。

テラスハウス

2-1.建物外部の調査範囲

建物外部の調査は、一戸建てと長屋では相違点が大きいです。一戸建てなら建物全体を外部から調査しますが、長屋では道路に接する面の外部(基礎・外壁など)と建物の裏側の面に限られます(裏側に回れる場合)。但し、対象の住戸が端にあるならば、3方位を確認できます。

長屋(テラスハウス)では、他の住戸に外部までは一般的な住宅診断の対象とならないわけですが、依頼者が希望した場合には対応してもらえることもあります。しかし、その他の住戸の所有者や居住者に無断で調査することはできないため、事前に所有者等の了解を得ておく必要があります。

これが障壁となって、建物一棟の調査をできないことは多いことは理解しておきましょう。

2-2.建物内部の調査範囲

長屋における建物内部の調査範囲は、対象住戸の仲だけであることを理解しておきましょう。一棟の建物の別の部屋までは一般的な調査では対象とならないわけです。外部と同じで事前に他の所有者等の承諾を得られるならば、調査することも可能ですが、承諾を得る作業は容易ではないでしょう。

床や天井、設備、建具などは一戸建て住宅と同じように調査することができます。間仕切り壁も大丈夫です。ただ、隣と共有する壁は対象住戸のなかからしか確認することはできません。例えば、壁に心配されるひび割れがあったとしても壁の反対側(隣の住戸側)の状況を確認することができないということです。

2-3.床下・屋根裏(小屋裏)の調査

床下は住宅診断をする上で大事な調査範囲の1つです。基礎の内側の状況や土台・床組、配管、断熱材、シロアリ被害などを確認できるからです。しかし、長屋で床下を調査するときに注意しなければいけないことがあります。それは、床下が隣と繋がっていることがあるということです。

床下へ潜っていくと隣の住戸の床下へ進入してしまったという話もありますが、これでは隣の方がびっくりして警察に通報するかもしれません。

床下だけではなく、屋根裏も同様です。無断で隣の屋根裏へ進入してしまったら問題視されますから注意しなければなりません。床下や屋根裏の確認は大事なことですが、基本的には確認範囲は該当住戸の真下の床下と真上の屋根裏までだと考えておきましょう。

長屋の耐震診断

3.耐震診断と既存住宅売買瑕疵保険の対応可否

建物のことを考えるうえでその耐震性を心配する人は多いです。特に古い住宅を購入するならば、心配するのも当然です。

しかし、複数の住宅が連なった長屋では、耐震診断をするのは容易ではありません。住宅診断については、対象住戸のみを診断することも可能ですが、耐震診断となれば建物一棟で判断しなければならないため、外観の全てと全室内の調査をしなければならないからです。

中古住宅で購入しようとするときに、長屋の他の所有者等の了解を得るのは難しいことから、耐震診断をあきらめる人が多いです

また、既存住宅売買瑕疵保険についても少々難しいものです。長屋は条件にもよりますが、基本的に建物全体の調査が必要になることから、他の住戸内の確認をできないと土俵に載せられません。

以上のことから、耐震診断も既存住宅売買瑕疵保険も長屋に関しては対応が困難です。

長屋(テラスハウス)における住宅診断(ホームインスペクション)について、ある程度はイメージできたでしょうか。調査できない範囲があるものの、確認できる範囲の調査だけでも住宅購入やメンテナンスの判断材料になることは非常に多いため、前向きに検討してはいかがでしょうか。

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