リフォーム業者が建物調査するなら第三者の住宅診断は不要か?

リフォーム業者が建物調査するなら第三者の住宅診断は不要か?

中古住宅を購入した後、建物をリフォームまたはリノベーションすることはよくあることです。そして、購入前にリフォーム業者に建物を確認してもらう人もいます。そんなときに、第三者の住宅診断(ホームインスペクション)の利用について疑問をもつ人もいます。

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1.リフォーム業者が建物調査するなら、第三者の住宅診断は不要か?

最近は、中古住宅を購入すれば、内装材を新しいものに変更したり、キッチン・トイレ等の設備を入れ替えたりといったリフォームだけではなく、間取りの変更を伴うようなリノベーションをする人も増えてきました。中古住宅を購入する人の意識は、購入後、長く良い環境で住み続けたいというものになってきています。

1-1.リフォーム業者が購入前に建物調査をすることがある

中古住宅の購入後にリフォームやリノベーションをすることを前提として考えている人は、購入する前(売買契約を締結する前)に物件を見てもらうこともよくあります。その主な目的は、リフォームに必要な予算を把握することです。

中古住宅を買ってからリフォームを予定している人にとって、リフォーム費用がいくらになるのかは購入計画を左右する重大な問題ですから、購入前に見てもらうのはよいことです。不動産会社に事情を話して、契約前にリフォーム業者に見てもらうことについて、売主からの許可を得てもらうとよいです。

1-2.第三者の住宅診断(ホームインスペクション)を利用予定

一方で、中古住宅の購入判断などを目的として第三者の専門家(多くは一級建築士)に購入予定の物件に対して住宅診断(ホームインスペクション)を入れる人も多いです。つまり、1つの住宅に対してリフォーム業者と第三者の住宅診断会社の2社に建物を見てもらうこともあるということです。

リフォーム業者のなかには、建物の診断(=住宅診断)もしてくれるケースがあり、それならば第三者の住宅診断は必要ないのではないかと迷うことがあるでしょう。「リフォーム業者が、補修すべき箇所もチェックしてくれると言ってくれているし、第三者は必要ないかな」という考えです。

本当に、リフォーム業者が建物を見てくれるなら、第三者の住宅診断は不要と考えてよいのでしょうか。

リフォーム業者の建物調査と第三者の住宅診断の違い

2.リフォーム業者の建物調査と第三者の住宅診断の違い

リフォーム業者の建物調査に任せるか、それとも第三者の住宅診断を利用するかについて検討するためには、利害関係や診断の能力などについてよく考えなければなりません。

2-1.リフォーム業者には利害関係がある

リフォームやリノベーションを行う業者にも、その質に差があるものですが、どの業者でも変わりないのは立場です。リフォーム業者の目的は工事の受注であり、それによって売上や利益をあげるのは言うまでもありません。

住宅を購入しない限り、工事を発注してもらえないわけですが、重大な瑕疵が見つかったり、小さな瑕疵がいくつも見つかったりすると、購入を中止する可能性が高まるため、業者によっては依頼者への伝え方のニュアンスを操作することもあります。あまり重く受け止めないようにと考えることがあるのです。

また、利害関係という意味では、必要のない補修工事を提案するパターンもあります。リフォーム業者としては、工事項目を増やして受注金額を増やしたいと考えることもあるため、このようなことが起こりうるのです。

2-2.リフォーム業者が建物を診断するプロとは限らない

次に、リフォーム業者の専門性や能力の問題があります。リフォーム業者は星の数ほどに多く存在していますが、その質のばらつきは言葉で説明しづらいほどのものがあります。見積りの出し方が無茶苦茶だったり、施工品質がひどかったり、営業だけで工事は他社に丸投げだったりと、その他にも様々な問題を抱えている業界です。

もちろん、建物を診断するのに十分な能力を有している業者もあれば、そうでない業者もあります。そして、後者の方が圧倒的に多いでしょう。

人はよいが診断能力に欠ける場合、やはりリフォームを依頼する人(中古住宅を買う人)にとって良い結果にはならないでしょう。現場で見た症状に対する判断に誤りが生じやすいのは、問題ですね。

2-3.第三者の住宅診断が必要かどうかはリフォーム業者の見極めが大事

リフォーム業者には利害関係があるとはいえ、きちんと依頼者のことを考えて、そしてその建物のことを考えて、適切なアドバイスや提案をしようとする業者はあります。また、建物を診断する能力を有している(住宅診断をできる能力のある人を雇用している)会社もあります。

それを見極めることが重要だということです。担当者の人が良さそうだからという理由では判断するのは危険です。営業や提案をする担当者であれば、そのように見えて当たり前なところがあります。逆に、現場の人の印象はよくないけど、仕事の質がよいということもよくあります。

判断が難しいところですね。第三者で、かつ多くの住宅診断の実績がある会社に依頼すれば、そういった心配が減りますから、基本的にはリフォーム業者とは別に第三者に住宅診断を依頼することを考えた方がよいのではないでしょうか。

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